年尺度の陰陽時間モデル
最初に登場するのが「年尺度の陰陽時間モデル」である。これは陰陽二分法を一年周期に適用した時間モデルである。本稿では、年尺度でいう「陽気」を、太陽という巨大な恒星から生じる放射エネルギー(Solar Radiation)と結びつけて考える。放射が雲や樹陰などで遮られれば陰、直射されれば陽という物理的な対比である。
地球の公転によって、太陽光の入射角と日照時間は一年周期で変動する。大気雲量の影響を取り除いた「晴天モデル(Clear Sky Model)」のデータを一年の各日について平均して描けば、滑らかで対称性のある波形が得られ、その幾何学的形状を太極図の陰陽魚の境界になぞらえることができる。 休暇中に日光浴をする行為を「陽気を補う」ことにたとえるなら、それは年尺度の陰陽時間モデルに順応する養生の一例として理解できる。 現代社会で抑うつに苦しむ人が増えていることについても、本稿では太陽放射への曝露が情志の状態を緩和する一つの要因になりうると考える。