清濁・密度と作用発現の速度
清濁は本講で特に見落としてはならない概念である。現代語へ暫定的に移せば、密度、軽重、作用層位に近い。清いものは上浮し表へ向かい反応が速く、濁ったものは下沈し裏へ入り、作用が遅く深い。
中医の清濁は単純な物理密度ではないが、密度は理解の入口になる。芳香薬や酒のように蒸留・揮発を経たものは清に偏り、速く作用しやすい。鉱物、竜骨、磁石などは草木に比べ重く、濁・沈・鎮に偏る。絶対重量より相対比較が重要である。
朱進忠の経験では、十分ほどで作用する薬もあれば二時間を要する薬もある。本篇では、その差が清濁、芳香、走表、入裏などの特性と密接に関わると考える。酒は蒸留により軽く、薬を速く通行させることがある。