神農本草三百六十味の時空分布
最後に『神農本草経』へ可視化から近づく。三百余味の薬物から性と味を抽出し、五行空間と五気の格局へ置くことで、本草は条文の集合ではなく、分析可能な時空分布図となる。
五味は東南西北中へ配置し、五気は各味の内部を寒・涼・平・温・熱へさらに分けられる。これにより苦味の中の熱を暫定的に「火中火」と呼ぶなど、性味の分布傾向を観察できる。ただし『本経』の性味と『輔行訣』の五行互含薬精は同一ではなく、直接混用してはならない。
さらに張志聡による二百余味の解釈へ、陰陽、臓腑、上中下、五行、五臓六腑、内外、三陰三陽、六淫などのタグを付けると、陽性薬が多い、五臓が六腑より多い、筋骨肌肉など内層が目立つ、三陽では太陽、三陰では少陰、六淫では風寒湿が目立つ、といった傾向が見える。