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司天六気が勝つときの治味構造

『至真要大論』の「司天之気、六淫所勝」は、一見すると六気と五味の対応表だが、形式化すると一つの基層規則と三つの方向修正で整理できる。

司天六気が勝つときの治味構造の図
司天所勝では第一治味・佐味・末尾の機能動詞を階層化し、基層規則と位向修正を分けて読む。

基本規則は五行の克治である。風木太過には金の味である辛、熱火太過には水の味である鹹、燥金太過には火の味である苦を第一治味として平らげる。この単純な五行克治だけで十二格中8格を説明できる。

ただし湿が主矛盾となる二格では、木克土の酸ではなく「苦燥」を直接使う。抽象的な土太過より湿そのものを処理するため、苦燥勝湿が一般規則を上書きすると解釈する。これで10/12となる。

残る二例は司天位置に集中する。司天火は鹹でなく酸、司天寒は甘でなく辛を使う。本篇では、上位の火は散越が問題となるため「酸収」、上位の寒は閉束が問題となるため「辛散」が優先されると読む。

したがって最小公式は、五行克治を基層とし、湿には苦燥、司天火には酸収、司天寒には辛散という位向修正を加えることになる。この内部形式化では、単純克治8/12 → 湿修正10/12 → 司天位向修正12/12へ進む。

重要なのは「風は辛、熱は鹹……」という表を暗記することではない。治味は五行制衡だけでなく、昇降出入、散収開閉、燥湿、堅軟緩急など複数座標を同時に参照し、その時点の主病理座標へ逆方向の補正をかけるベクトルとして読むべきだ、という結論である。