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謙・帰・蔵・生・動・長・育・止・壴――九気は生命循環を表す

〈八舍〉には核心となる九つの字が現れる。

謙・帰・蔵・生・動・長・育・止・壴。

本文はいう。

天気は心に帰し、地気は精に蔵し、風気は津に生じ、雷気は肺に動き、谷気は気に長じ、雨気は液に育ち、川気は骨に止まり、海気は筋に壴し、真気は血に謙す。帰蔵生動長育止壴は、気の所処、病の所舍である。

まず九つの気が置かれる状態を名づけている。

「帰」「蔵」「生」「動」は動詞に近く、物質名には見えない。

同一の生命気化が異なる段階にある状態として読む方が自然である。

  • 帰:帰入・帰会。
  • 蔵:収め、内守する。
  • 生:生発の開始。
  • 動:発動。
  • 長:伸長・展開。
  • 育:濡養・育成。
  • 止:停止・定形・収束。
  • 壴:原書固有の用法で海気・筋・生化清浄に関わる。
  • 謙:中に居し、稟を受け、根位を保つ。

特に「壴」「謙」は現代字義だけで勝手に固定せず、原書内の用例から読む必要がある。

なぜ九気は「皆謙に始まる」のか

Section titled “なぜ九気は「皆謙に始まる」のか”

本文は、

八舍九気は皆謙に始まる。衝任督蹺は中に居して根となり謙に応じ、気化の枢を明らかにする。

と述べ、後には「謙者、募原真気、太虚之象也」とする。

三焦・募原・衝任督蹺を謙と結ぶので、謙は普通の一段階というより、循環全体の根本位または初期条件に近い。

舍が「太陰」「黄鐘」とだけ記されても、何が起きているかは足りない。九気がその動態を補う。

実際、後文では「謙帰」「帰蔵」「蔵生」「生動」など二字の連鎖を大量に使う。

気化状態は単独の「謙」「帰」ではなく、一状態から次状態へ移る過程として記録される。

だから八舍表は二字系列で満ちている。相移を記録しているのである。

九気は後の〈通天〉にもつながる

Section titled “九気は後の〈通天〉にもつながる”

〈通天〉では風・雷・谷・雨・川・海と真気が、肝・心・脾・腎・脳・胃・三焦などへどう通じるかが詳述される。

九気は八舍だけの表ではなく、後半の臓腑気化モデルの骨格になる。

次篇では別軸を加える。二つの気が出会うとき、なぜ専・勝・兼・並・通・和という六つの関係が生じるのかを見る。