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六経の深浅には本当に数値がある――六分・五分・四分……

「六経には深浅がある」という表現は古典医学で珍しくない。

しかし『扁鵲鏡経』の特徴は、その深浅へ直接数値を与える点にある。

足陽明は深六分、十呼留める。足太陽は深五分、七呼。足少陽は深四分、五呼。足太陰は深三分、四呼。足少陰は深二分、三呼。足厥陰は深一分、二呼。

さらに、

手の陰陽は受気の道が近く、その気来ること疾し。深さは三分を過ぎず、留は五呼を過ぎない。いずれも骨度を準とする。

と補う。

ここでは「深六分」だけではない。各深度へ「何呼吸とどまって観察するか」が割り当てられる。

ある経の気を診るとき、特定深度と一定の呼吸周期を同時に設定する。

これは全書第一輯から一貫する方法である。

空間尺度と時間尺度を同時に定義する。

足陽明六分から足厥陰一分まで六段階の深度をなし、観察呼吸数もおおむね深度とともに減る。

作者が「深い/浅い」という曖昧な形容だけでなく、操作可能な層構造を作ろうとしていることが分かる。

「分」をミリメートルへ直結しない

Section titled “「分」をミリメートルへ直結しない”

本文は明確に「皆骨度準之」とする。

ここでの分も人体比例尺に属し、固定メートル法単位ではない。

将来センサーで検証するなら、個体骨度、圧力深度、接触面積などを標定してから古典分度との対応を調べる必要がある。

『鏡経』の量化志向が最も見えやすい箇所

Section titled “『鏡経』の量化志向が最も見えやすい箇所”

六経の深さ、呼吸時間、骨度という三つの変数が同時に指定されている。

次篇ではさらに数理的な式、「平人脈律分度=音之分度 × 舍之分度」を読む。