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一気・陰陽・清濁と中気の枢軸

現代の研究者は、太極の螺旋曲線的な運動を記述するために、適切な数学言語を探そうとしている。古人が気化として描こうとした現象も、天地の間で気が運行するときに繰り返し現れる軌跡として読むことができる。

そこにはいくつかの特徴がある。

A. 外へ拡散する傾向と、内へ収斂する傾向という二つの方向が、変化を駆動する基本要素になる。これが陰陽二気である。

B. 陽が陰に勝てば拡散が主となり、陰が陽に勝てば収斂が主となる。

C. 運動方向には順向・逆向があり、観察者の視点によって表現が変わる。

D. 太極が回転するとき、その運動方向を貫くものが中軸である。台風なら台風の眼を貫く軸、太極拳なら踵から指先までを貫く弾性的な軸にたとえられる。

E. 太極の回転面を正面から見ると、気が異なる位相区間へ回ることが、五行の各段階に対応する。

F. したがって、拡張の始まりが木、拡張が極限に達して回転半径も最大になる段階が火、収縮の始まりが金、収縮が極限に達して半径が最小になる段階が水となる。

G. 土はこの四段階の転換期に現れる。これが「土灌四方」のモデルである(詳しくは時空篇)。

H. 異なる時間尺度の円運動も、それぞれ太極的な螺旋を形成しうる。違いは主に時間周期と空間半径の大きさにある。

I. なぜ螺旋になるのか。周期差が十分に大きい二つの円運動を重ねると、長周期側の接線運動は短周期側から見ればほぼ直線に見える。そこへ短周期の円運動を重ね、十分遠くから観察すれば、全体は螺旋状に見える。

読者は陳鼎三先輩が『医学探源』で整理した「探源図解」と照合するとよい。両者は同じ中心的な対象――太極運動――を記述していると理解しやすい。

陰陽がまだ判別されない段階では、一気が混じり合い凝集している。気は陰陽を含むため清濁が生じる。清は浮いて上昇し、濁は沈んで下降する。上昇は陽、下降は陰であり、陰陽が異なる位置を取ることで両儀が分かれる。清濁の間にあるものを中気という。中気は陰陽昇降の枢軸であり、いわゆる土である。枢軸が動けば、清気は左旋して上昇し、火へ化して熱となる。濁気は右転して下降し、水へ化して寒となる。上昇が半ばでまだ火にならない段階を木の気といい、温かい上昇が極まると温が積もって熱となり火へ化する。下降が半ばでまだ水にならない段階を金の気といい、涼しい下降が極まると涼が積もって寒となり水へ化する。