心・小腸の君火、神明と化物生血
南方は熱を生み、熱は火を生み、火は苦を生み、苦は心を生む。『内経』には「物事を任ずるものを心という。心に記憶するものを意といい、意に存するものを志といい、志により変化を存するものを思といい、思によって遠く慕うものを慮といい、慮によって物事を処するものを智という」とある。ゆえに心は「君主の官、神明これより出づ」とされる。
すべての血は心に属し、心は神を蔵する。卦では離、体では脈、色は赤、音は徴、声は笑、志は喜、変動は憂、竅は耳・舌、味は苦。液は汗、栄は色、臭は焦、数は七、穀は黍、虫は羽、果は杏、菜は薤。心は小腸と合し、腎に制約される。心は熱を悪み、憂愁思慮が過ぎれば心を傷る。心病では胸中痛、脇の支満、脇下痛、胸背・肩甲間痛、両上肢内側痛などが現れ、虚すると胸腹・大脇・腰へ引きつる痛みを生じることがある。
小腸は「受盛の官、化物これより出づ」とされ、火に属し、心の腑である。唐容川は、小腸は上で胃に接続し、胃が受け入れたものをすべて小腸が受盛すると説明する。小腸は膜性組織と連続し、その中の細い脈管を通じて胆の苦汁や脾の甘い汁が入り、食物の消化・化成に参与する。食物から化した精汁は膜網を通って各臓へ達するため、「化物出焉」という。
小腸と心が通じる道は、膜網の細い脈管が隔を越えて心包へ達し、そこから心へ通じると説明される。食物は小腸で液へ化し、連網から出て上へ心を奉じ、血を生む。
心の熱が小腸へ遺れば、化物がうまく出ず、痢や淋を生じるとされる。仲景は「小腸に寒がある者は下重・便血を生じ、熱がある者は痔を生じる」と述べたとされる。経には、小腸病では小腹痛、腰脊から睾丸部へ引く痛みが起こると記す。