薬量弁証と経方の用量設計
薬量は本講でも高い研究価値を持つテーマである。多くの医者が用量を感覚で決める一方、経方の用量は偶然の経験値ではなく、設計された気化強度である可能性がある。
薬物が気を調える道具なら、薬量は弦を弾く力に似る。薬味が方向、薬量が強度を決める。同じ薬を二両、三両、四両と変えることは、方中で異なる役割を担う可能性を意味する。用量を自由に増減できる数字とみなせば、経方内部のリズムと比例を見失う。
百合に七、地黄に六、大棗に十二枚、茯苓に三両が多いが臣薬では二両や四両もある、といった数字は研究対象になる。河図洛書の生成数や五行の局部調整との関係は、将来データ分析で再検討できる仮説である。