六気 × 七つの運動ファミリー
『至真要大論』には六気治法の42組の処方文法が残されている。本篇では、六気が天地時空へ入った後、位置・方向・主客・強弱の違いによって異なる運動役割を担うものとして整理する。
同じ六気でも、上方で主導すれば「司天」、下方で承ければ「在泉」、左右・中間の過渡にあれば「間気」となる。ある気が強くなり別の気を圧すと「勝気」、圧された側が後段で反発すると「復気」となる。本来の位置を相手に逆方向から圧されれば、邪気反勝、司天邪勝などの異常格局になる。
したがって六気は静的な名詞ではなく、位置、方向、主客、強弱、反発を含む動的系である。現代語で言えば、同じ自然力でも、どこに位置し、どの程度主導権を持ち、どの相手と出会うかによって異なる結果を生む。
| 名称 | 核心 | 運動特性 | 直観的な比喩 |
|---|---|---|---|
| 司天 | 年の上位を主導する気 | 上から下へ影響し上半期と天位を主る | 都市上空を長期に覆う大気系 |
| 在泉 | 年の下位で承ける気 | 下から蓄積し下半期と地位を主る | 土壌・地下水・地熱の地気 |
| 間気 | 左右・中間段階の気 | 挟持・偏向・助勢 | 横風が主流を押し曲げる |
| 勝気 | 一気が一時的に過度 | 一方向に他気を圧制 | 強い季節気流が他を覆う |
| 復気 | 圧された気の後段反発 | 回弾・反転 | 圧縮したばねの反発 |
| 邪気反勝 | 下位の本来気が逆に圧される | 地位失守 | 本来湿る土地が熱で乾く |
| 司天邪勝 | 上位の本来気が逆に圧される | 天位失守 | 年間の暖傾向へ強い寒気が被さる |
| 客主勝復 | 客気と主気の勝負 | 外来気候と常位の競合 | 外来気候が地域常態を圧す、または逆 |
これらの名称は結局、「どこにいるか」「主か客か」「正常か太過か」「圧された後に反発するか」「順時か逆行か」という同じ問いへ還元できる。五運六気の重要点は年のラベルを付けるだけでなく、気が上下・左右に定位し、互いに圧制・反発して一年の気化背景を作る過程を記述することにある。