『六元正紀大論』六十甲子食養――生数・成数モデルの導入と核心定義
天人の学の時空的広がりは、『黄帝内経・素問・六元正紀大論』で六十年規模のデータへ拡張される。本篇は、六十甲子を通じた食養・用薬の指針を長周期データとして読み、少陽七、陽明九など天地気化の数量記述と「河図」の生数・成数との対応を検討する。
河図の生数1・2・3・4・5と成数6・7・8・9・10は、古典数理で生成と完成を表す基本数として扱われる。本篇では、六十年循環の各年で太歳中運、司天、在泉の数値関係をこれらの数へ分解できるのではないか、という形式モデルを提示する。
古典の編排は60甲子を二つずつ組み、30の標準時段へ圧縮する。たとえば甲子と甲午は子午がともに少陰君火に関わるという形で対にされる。各時段には「黅天之気、氯化二、雨化五……造化四」のような気化数量と、上半期・下半期の薬食所宜が記される。
本シリーズの内部分析では、この30組の食養データへ時間モデルの補瀉式を適用し、五行の太過・不及に対する瀉補の整合性を検査したところ、少数の例外を除き高い自己整合性を示したと報告する。この結果は古典データ内の形式的整合性を示すものであり、生数・成数と現代物理量の同一性を証明するものではない。