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八舍は本当は何を記録しているのか――十二経の手足横断配対

〈八舍(三)〉は全書でも特に密度の高い表である。

たとえば、

謙帰、質安黄鐘、右手少陰兼於左足太陰。

次に、

帰蔵、衆変林鐘、右手陽明和於右足少陽。

さらに、

蔵生、正執太簇、左手厥陰並於左足少陽。

前の二十七篇がなければ暗号に見えるが、今なら層ごとに分解できる。

「謙帰、質安黄鐘、右手少陰兼於左足太陰」を例にすると、

  1. 謙帰:九気状態の遷移。
  2. 質:十分度。
  3. 安:気化十音の合度関係。
  4. 黄鐘:十二律。
  5. 右手少陰/左足太陰:具体的経脈位置。
  6. 兼:二経間の気交関係。

玄学的な一文ではなく、高度に圧縮された多欄データである。

なぜ一条を完全に保存する必要があるのか

Section titled “なぜ一条を完全に保存する必要があるのか”

黄鐘だけ抜けば状態を失い、少陰太陰だけ抜けば律・分度を失い、「兼」だけ抜けばどの位置同士か分からない。

したがって八舍の最小分析単位は完全な組み合わせコードである。

デジタル化でも、全文を一つの文字列にするだけでも、一ラベルだけ残すだけでも足りない。九気A/B、分度、十音、律、手経、足経、左右、関係演算子へ分ける方がよい。

八舍は右手と左足という歩行例から始まるが、実表には対側も同側もあり、陰陽異経、さまざまな手足組み合わせがある。

交叉歩行は「相司」を理解させる入口であり、唯一の配対規則ではない。

配対は気化系列によって変わる

Section titled “配対は気化系列によって変わる”

同じ経でも、異なる九気、律、分度で別経と兼・勝・並・和・専を作りうる。

八舍は固定した臓腑配対表ではなく、状態変化によって再配線されるネットワークである。

人体機能網には固定解剖連結だけでなく、気化状態に応じて変わる機能関係がある、という見方になる。

次篇では七十二舍と七十三舍の差を見て、「気之立」と「気之行」を分ける。