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「精は気を食し、形は味を食す」――形・気・精はどう転化するのか

〈通天〉第二部は短い四句で重要な生成モデルを示す。

精は気を食し、形は味を食し、化は精を生じ、気は形を生じる。

「物質/エネルギー」という現代的二分へ直ちに置き換えると単純化しすぎる。

本文はむしろ相互転化する循環を描く。

「形食味」は有形の身体が水谷・飲食の資養を必要とすることを示す。

しかし同時に「気生形」とする。

形体の維持・生成は物質摂取だけではなく、気化過程にも依存する。胃腸が受盛した後に「化物変気」し、その気が形と精の生成へ参与する。

食物は入った瞬間に筋肉・血・骨へ同一化されるのではなく、変換過程を経る。

「精食気」「化生精」とあるため、精も持続的に気の資養と転化を受ける。

さらに、

精は真気、身の本。真気は清・稟・谷の三気が身体を行き、五臓の気を養う。

と述べる。

清気、稟気、谷気を真気の来源へ共同して置き、精・真気を外界から隔絶した貯蔵物とはしない。

最単純な矢印にすれば、

味 → 形 → 気 → 精 → 化 → 新たな形・気・精。

しかし本文は単方向流水線ではなく、「帰・蔵・生・動・長・育」などを反復する。

形・気・精は循環的な生成ネットワークとして読む方が適切である。

局所組織に問題があっても、『鏡経』は「どこが壊れたか」だけを問わない。

そこを支える気はどこから来るか、精はどう灌注するか、経隧は通じるか、候舍は失位していないかも問う。

〈通天〉が天地入力を臓腑へ接続する理由がここにある。

次篇では抽象的な循環を風・雷・谷・雨・川・海・天・真と臓腑機能へ落とす。