陰陽変化と治病求本
疾病の表面に現れる寒・熱・燥・湿・風・火が、必ずしもその病を実際に生み出した根源とは限らない。陳鼎三は、本気の虚実 → 主令と化気の盛衰 → 従化方向 → 最終病象 を一つの因果鎖としてつなぐ。同時に、病は本・標・中気のいずれからも生じうるため、治療も本を取る、標を取る、中気を取る、あるいは状況に応じて逆取・従取することがあるとする。
したがって「治病求本」とは、どの病でも一つの固定した「根本臓器」を治すことではない。今回の病変がどの層から発生し、どの気へ従化したのかを見いだすことである。
- 本から病が生じる: 本体へ直中し、先天的本気の守りが失われる。
- 標から病が生じる: 門戸が邪を受け、外在防衛が失調する。
- 中気から病が生じる: 枢機が廃れ、表裏の従化が制御を失う。
従化因果鎖: 本体の水火虚実(本気)→ 主令と化気のせめぎ合い → 陰/陽への従化 → 臨床終末の病象。
臨床での標本中の治法は、取本(本を直接治す)、取標(表・標層を治す)、取中気(枢機を調和する)に整理できる。
したがって仲景の桂林古本にある多くの誤治や「汗・下・吐すべからず」の条文は、この従化因果鎖の上で標本中を区別しなかった場合、あるいは標本を逆転させた場合の実例として読むことができる。
『医学探源』原文の現代語訳
Section titled “『医学探源』原文の現代語訳”「主令が盛んなら化気がこれに従い、化気が盛んなら主令がこれに従う。すべて本気の虚実を離れない。陰は盛んになりやすく、陽は衰えやすい。人の病では陰盛が多く、陽盛は少ない。陽が陰に従って化するのは容易で、陰が陽に従って化するのは難しい。……一経には一経の性情がある。経気が和平なら互いに交済し、一経の性情だけが偏って現れることはない。一経が病めば、その本気が現れる。」
「本に従うものは本から化生し、標本に従うものには標本の化があり、中に従うものは中気を化とする。ゆえに百病の起こりには、本から生じるもの、標から生じるもの、中気から生じるものがある。本を取って得るもの、標を取って得るもの、中気を取って得るもの、標本をともに取って得るもの、逆取して得るもの、従取して得るものがある。……標と本を知れば用いて危うくなく、変化と逆順を明らかにすれば正しく行って隔たりがない。これをいうのである。」