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六経解と十二経を統べる六気

「十二経」と「六経」は、互いに競合する二つの分類体系ではなく、解像度の異なる二つの階層である。十二経は手足・臓腑に対応する具体的な道路を記述する。六経は、同じ気を共有する二本の経を一つにまとめ、より高次の気化単位として扱う。ゆえに「経に十二あり、六気これを統べ、二経一気」とされる。

肺・脾は太陰、心・腎は少陰、肝・心包は厥陰、胆・三焦は少陽、胃・大腸は陽明、膀胱・小腸は太陽に属する。したがって十二経は 線路層、六経は 共通気化機能層 として理解できる。

三陰三陽が歴来分かりにくいのは、『内経』の中で多面化しているからである。同じ語でも、時間と空間が違えば定義も変わる。

天の気として用いられるとき、三陰三陽は司天・在泉・主客気の属性を表す。六気のエネルギーが人の生理を形作り、たとえばバイオリン共鳴胴の中に複数の共振モードがあるように、人体に大きな機能モードを形成したものが、仲景が『傷寒雑病論』前半で立論した六経だと本研究では捉える。

六経が大きな体系になるのは、その本質が『素問・六節蔵象論』にみられる、完全な円周期を六つの位相区間に分ける考え方と関係するからである。本研究の共振モデルでは、そのモード間隔を音楽の音程になぞらえ、隣接段階が約 2^(1/6) の比で区切られる可能性も検討している(詳しくは扁鵲鏡経篇)。

そのため六経には五行属性があり、線路としての分枝すなわち経絡があり、天地人の各層では共振モードに対応する機能属性――風・熱・暑・湿・燥・寒――を持つと考えることができる。人体内ではさらに空間的な守備範囲があり、『経脈』『皮部』などに体表領域が記され、深さにも差がある。

なぜこれほど多くの次元を必要とするのか。ここでの仮説は、自然そのものが多次元に展開しているため、古人は現象と整合するところまでしか圧縮できず、それ以上単純化すれば重要な構造を失う、ということである。

「天には六気がある。風・熱・暑・湿・燥・寒である。地には五行があり、木・火・土・金・水である。……六臓六腑から十二経が生じ、経気は内で臓腑に根ざし、外で肢節へ絡む。……脾・肺の経は太陰、心・腎の経は少陰、肝と心包の経は厥陰、胆と三焦の経は少陽、胃と大腸の経は陽明、膀胱と小腸の経は太陽である。経は十二、六気がこれを統べ、二経一気なので六経ともいう。太陽と少陰は表裏、陽明と太陰は表裏、少陽と厥陰は表裏である。」