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五臓の五欲と時間モデルの補瀉規則

『臓気法時論』の核心には、空間モデルとは異なる時間モデルの補瀉規則がある。本篇では、五臓が特定の時間位相で求める生理方向を「五欲」として捉える。たとえば肝欲散、心欲軟などである。そこから、肝は辛で補い酸で瀉す、といった空間親和性とは異なる式を導く。

五臓の五欲と時間モデルの補瀉規則の図
五欲が時間モデル上の補味を定め、補瀉は気機の順方向・逆方向操作として理解される。

五欲と補位:ある臓、たとえば肝木がその時間位相で宣散を必要とするなら、その運動方向へ順う味、たとえば辛の散作用を「補」とする。したがって時間モデルでは辛が木の補位になる。

瀉位:過度な運動を抑える必要があるなら、生理方向と反する味を使う。酸は収斂して宣散に拮抗するため、木の瀉位となる。

ここで「酸入肝、辛は木を克す」という空間モデルの親和・制衡と、「辛補肝、酸瀉肝」という時間モデルの補瀉は正反対に見えるが、実際には異なる座標を扱う。本篇の重要点は、この二つを混ぜないことである。